車・ドライブ
犬の車酔い対策|慣らし方・当日の準備・酔ったときの対処
車で酔う犬は、車そのものが嫌いになりがちです。すると次に乗せたとき、動き出す前から不安で、よけいに酔いやすくなります。この悪循環に入ると、お出かけも通院も大ごとになります。
ただ、多くの場合は、乗る前の慣らしと当日のちょっとした準備で、かなり軽くできます。手を打てるタイミングは3つあります。
- 乗る前 — 車に慣らす。いちばん効きます。
- 乗ってから — 揺れとにおいと不安を減らす。
- 酔ったとき — 早めに気づいて止まる。
まず、酔っているサインを知る
早く気づくほど、嘔吐まで行かずに済みます。
- 初期 — あくびが増える、よだれが多くなる、落ち着きなくウロウロする、クンクン鳴き続ける。
- 進行 — 呼吸が荒くなる、震える、動けずに固まる。
- 重い — 嘔吐する。
初期のサインが出たら、次の休憩ポイントで一度止まって、車の外で休ませます。ここで対応できると、そのあとが楽になります。
なぜ酔うのか
対策の前に、原因を知っておくと打ち手が選べます。
車の揺れが、耳の奥にある三半規管を刺激します。これは人の車酔いと同じしくみです。子犬は平衡感覚がまだ育っていないぶん、酔いやすい傾向があるとされています。
それに加えて、犬ならではの要因があります。ひとつは、においです。犬の嗅覚は人よりずっと鋭いので、ガソリンや芳香剤のにおいが強い刺激になります。もうひとつは、記憶です。「車に乗る=動物病院など嫌なことが起きる」と覚えていると、車が動いていなくても不安から酔ったような症状が出ます。
食事も関係します。満腹で揺られれば胃に負担がかかり、空腹すぎても胃酸で吐き気が出やすくなります。
いちばん効くのは「乗る前」=車に慣らす
時間はかかりますが、慣らしがいちばん確実です。1段階ずつ、犬が平気になってから次に進みます。
- クレートを普段から使う まず家の中で、クレートやキャリーを「安心できる自分の場所」にしておきます。移動はこの中で。
- エンジンを切ったまま、車内で過ごす クレートごと車に乗せ、数分いっしょに過ごしておやつをあげ、降ります。これを何回か。
- エンジン音に慣らす 停車したまま、エンジンをかけて5分ほど。平気そうなら次へ。
- 家の周りを一周だけ走る ごく短い距離から。降りたら褒めて、おやつ。
- 少しずつ距離を延ばす 短い成功を積み重ねます。着いた先で散歩や遊びなど、楽しいことをセットにします。
途中で嫌がるようなら、ひとつ前の段階に戻ります。焦って距離を延ばすと、車嫌いが強まって逆効果です。
当日の準備
- 食事は、乗る2〜3時間前までに済ませておきます。 GREEN DOG の解説でもこの目安が挙げられています。直前の食事も、空腹のままの出発も避けます。
- 乗る前に軽く運動させ、トイレを済ませます。 体を動かしておくと、車内で落ち着きやすくなります。
- クレートに、いつも使っている毛布や、飼い主のにおいがついたタオルを入れておきます。
乗ってからの工夫
- クレートやキャリーを、シートベルトで固定します。 揺れが小さくなり、急ブレーキのときの安全にもなります。置き場所は、比較的揺れの少ない後部座席の足元などが向きます。固定の仕方や危ない乗せ方は、犬を車に乗せるときの安全にまとめています。
- 窓を少しだけ開けて換気します。 全開にはせず、車内のにおいがこもらない程度に。エアコンで暑すぎない温度に保ちます。
- 急発進・急ブレーキ・急なカーブを避け、なめらかに運転します。
- こまめに休憩を取ります。 できれば車の外に出して、少し歩かせます。
酔い止め薬について
酔いやすい犬には、動物病院で相談すると、酔い止めを処方してもらえます。獣医師監修のイオンペットの解説では、こうした薬には吐き気を抑える作用と気持ちを落ち着かせる作用があり、犬の体重・年齢・体調によって種類も量も変わるため、獣医師の診断が必須だとされています。イオンペット ペテモ 眠気やふらつきが出ることがあるので、長距離の前に、一度短い距離で試しておくとよいとされています。
人間用の酔い止めを、自己判断で犬に与えないでください。 成分も適量も犬とは違います。
それでも酔ってしまったら
- 安全な場所に車を停めます。
- クレートから出して、風通しのよい日陰で休ませます。
- 落ち着いてきたら、水を少しだけ飲ませます。
- 吐いたら、口のまわりを拭いて、しばらく静かに待ちます。
短い休憩で回復することがほとんどです。ただし、嘔吐を何度もくり返す、ぐったりして反応が鈍い、といったときは、無理に移動を続けず、動物病院に連絡してください。
乗る前が9割
当日にできることは限られています。効くのは、時間をかけた慣らしと、食事のタイミングです。ここができていれば、乗ってからの工夫と酔い止めは「念のため」で足ります。車のシートについた毛や泥の対策は、犬を車に乗せるときの毛・汚れ対策にまとめています。