抜け毛・掃除
換毛期の掃除を楽にする方法|回数より、やり方を切り替える
春先や秋口、犬の毛がふわっと浮くようになって、なでると手のひらに毛が残る。ブラシに毎回どっさり付く。これが換毛期の入り口です。
この時期の抜け毛は、いつもの延長ではありません。量そのものが増えます。だから、掃除の回数だけ増やしても追いつきません。やり方を切り替えるほうが、結局は楽に乗り切れます。
換毛期はいつ、どのくらい続く
換毛期は年に2回、春から7月ごろと、秋から11月ごろにあります。抜けるのは主にやわらかい下毛で、夏や冬に備えた「衣替え」です。上毛と下毛の二層になったダブルコートの犬に起こり、シングルコートの犬にははっきりした換毛期がありません。
続く期間は、資料によって幅があります。アニコム損保の獣医師監修記事では約1か月、別の資料では6〜7週間程度とされ、抜け毛のピークを5〜7月と9〜11月とする説明もあります。個体差があるので、「数週間から1か月ちょっと」くらいに考えておけば十分です。エアコンや床暖房で室温が一年じゅう一定の家では、季節の区切りがはっきりせず、通年で少しずつ抜ける犬もいます。
まず、落ちる前に取る
いちばん効くのは、ブラッシングの頻度を上げることです。抜けかけた毛を先に回収すれば、そのぶん床やソファに落ちる量が減ります。ふだん週に数回なら、換毛期のあいだは毎日に。下毛が取れる道具を使います。毛質ごとの選び方は、犬の抜け毛対策ブラシの選び方にまとめています。
ブラッシングの前に、毛用のミスト(グルーミングウォーター)を軽く吹くと、毛が舞いにくくなり、静電気も抑えられます。ただし、抜けかけの毛を取るのが目的なので、同じ場所を何度も強くとかさないこと。やりすぎは皮膚を傷めます。
掃除は「回数」より「切り替え」
順番の基本は、ふだんと同じです。背の高い家具や棚を先に、次にソファ、最後に床。部屋の隅から中央へ。掃除機は仕上げで、その前に乾いたワイパーやモップで毛を集めます。
換毛期に変えるのは、次の点です。
- 場所を絞る。 全部屋を毎日は続きません。犬の動線、寝床、よくいるソファのまわりだけ、毎日さっと。それ以外は数日に一度で十分です。
- フローリングは二段階。 ドライシートで毛を集めてから、ウェットシートで水拭き。乾いたシートだけだと、細かい毛が舞って戻ってきます。
- 犬の定位置に、洗えるカバーを1枚。 毛が集まる場所を決めてしまえば、そのカバーを洗うだけで済みます。換毛期が終わったら外します。
服を着せるという手
換毛期のあいだだけ、室内でも服を着せる方法があります。抜けた毛が服の中にたまるので、部屋に飛び散る量が減り、掃除が軽くなります。体温調節が苦手な犬や高齢の犬には、冷え対策にもなります。
ただ、着慣れていない犬は嫌がります。脱ぎ着させやすいものを選び、締めつけないサイズにします。ずっと着せっぱなしにはせず、皮膚が蒸れていないか時々確かめてください。合わない犬に無理強いはしないほうがいいです。
シャンプー・空気・毛の放置
シャンプーでも抜けかけの毛は落とせますが、頻度には注意が必要です。Calulu のコラムでは、洗いすぎると皮脂を奪ってかえって皮膚のトラブルになるとして、低刺激のもので月3回程度までとされています。
空気中を舞う毛やほこりには、空気清浄機がある程度は助けになります。ただし、床やソファに積もった毛は取れません。掃除の代わりにはならない、という位置づけです。
抜けた毛を床や犬の体に残したままにすると、毛玉になって汚れをためこみ、皮膚の炎症につながることがあります。こまめに取る意味は、見た目だけではありません。
これは換毛期じゃないかも
次のようなときは、季節の抜け毛ではなく、体の不調のサインかもしれません。
- 換毛期の時期ではないのに、抜け毛が急に増えた
- 換毛期が終わっても抜け続ける
- 上毛(硬い毛)まで抜ける
- 体の左右で同じように毛が薄くなる
- しきりに体をかゆがる、皮膚が赤い
アニコム損保やピースワンコ・ジャパンの獣医師監修記事では、こうした場合に膿皮症、アレルギー、ホルモンの病気などの可能性があるとして、動物病院での相談がすすめられています。掃除やケアを続ける前に、一度診てもらってください。
換毛期のあいだだけのルール
普段の生活に、期間限定でこれだけ足します。ブラッシングを毎日にする。掃除は犬のいる場所に絞って、乾式で集めてから吸う。定位置に洗えるカバーを1枚。この3つで、抜け替わりが落ち着くまでのしのぎ方が決まります。抜け毛と掃除全体の考え方は、犬の抜け毛掃除の基本にあります。